4LDKマンションが売れない理由と売却するためのポイント
専有面積が広い4LDKのマンションは、売却総額が高くなることから売却がしにくいです。
不動産には、狭い面積は総額が小さいため単価が上がり、広い面積は総額が大きいため単価が下がるという単価と総額の関係と呼ばれる法則があります。
4LDKは面積が広いため、まさに単価を下げて総額を抑えなければ売れない物件です。
広い間取りである4LDKは、一体どのように売っていけばよいのでしょうか。
そこで今回の記事では「4LDKのマンションが売れない」をテーマに解説します。
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目次
4LDKマンションの成約数
首都圏における中古マンションの間取り別成約数を示します。
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2021年・年度」
首都圏の中古マンションでは、成約件数が多い順に間取りを並べると、3LDK、2LDK、1LDK、4LDK、ワンルーム、5LDK以上の順番となります。
1年間において4LDKが実際に取引されているのは2,440件であり、3LDKの17,671件と比べると約7分の1の流通量です。
成約件数の割合で示すと、3LDK は市場の中で46.7%も取引されているのに対し、4LDKは6.5%しかありません。
他の間取りと比べると流通量が少ないことから、「4LDKは売れない」と感じている人が多いようです。
一方で、間取り別の流通量はエリアによっても若干異なります。首都圏のエリア別の間取りの流通割合を示すと、以下の通りです。
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2021年・年度」
マンション価格の高い東京都では、4LDKの間取りの流通量が4.0%となっています。
一方で、マンション価格が比較的安い千葉県では、4LDKの間取りの流通量が11.3%もあります。
千葉県の方が東京都より3倍弱程度の割合で4LDKが流通しており、東京都よりも千葉県の方が4LDKは売りやすいといえます。
なお、東京都はマンション価格が高いため、専有面積の狭い2LDKの流通量が他県と比べて突出して多い点も特徴となっています。
埼玉県や千葉県、神奈川県といった郊外の県は3LDKの流通量が突出して高いですが、東京都は狭い間取りも多く流通している点が特徴です。
次にエリア別の4LDKマンション売買相場について見ていきましょう。
エリア別の4LDKマンション売買相場
東京23区、名古屋市、大阪市、福岡市のエリア別における中古の4LDKマンションの売買相場を示すと下表の通りです。
エリア | 価格(万円) | ㎡単価(万円/㎡) |
---|---|---|
東京23区 | 6,471 | 69.12 |
名古屋市 | 2,769 | 31.34 |
大阪市 | 3,453 | 40.20 |
福岡市 | 3,102 | 35.14 |
- 出典:
東京23区(公益財団法人東日本不動産流通機構)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」
名古屋市(公益社団法人中部圏不動産流通機構)「年刊市況レポート」
大阪市(公益社団法人近畿圏不動産流通機構)「2021年度年刊市況レポート」
福岡市(国土交通省)「土地総合情報システム」 - 2022年第1四半期~第4四半期までのダウロードデータを編集部で集計。
エリア別の4LDKの平均価格は、東京23区が最も高くなっています。
次に間取り別のマンション売買相場について見ていきましょう。
間取り別のマンション売買相場
首都圏の間取り別の価格を見ると、2LDKが最も高くなっています。
これは、マンション価格の高い東京都で2LDKが多く流通していることが平均価格を押し上げていることが理由です。
単価に関しては1LDKが最も高くなっており、間取りが広くなるほど低くなっています。
この現象は、広い面積ほど総額が大きくなり単価を下げなければ売れないという単価と総額の関係を物語っています。
また、首都圏の間取りの平均面積は、3LDKが73.14㎡、4LDKが92.41㎡です。広さとしては、19.27㎡も異なります。
一方で、平均価格は3LDKが3,992万円、4LDKが3,891万円となっており、違いはわずか101万円です。
4LDKは3LDKよりも20㎡近く広いにも関わらず、3LDKとほぼ同じ価格水準で取引されていることになります。
単価に関しては、3LDKが54.59万円/㎡であるのに対し、4LDKが42.10万円/㎡です。
3LDKの単価の約77%が4LDKの単価という関係であり、単価は4LDKが3LDKよりも2割以上も安くなっています。
つまり、4LDKは3LDKと同じ単価で売り出しても売れないということです。
4LDKを売るには単価を思い切って下げ、価格を3LDKよりもやや高い程度の水準に抑える必要があります。
次に4LDKマンションが売れない理由について見ていきましょう。
4LDKマンションが売れない理由
首都圏における間取り別の売買相場を示すと、以下の通りです。
4LDKマンションが売れない理由
- 適正価格で売り出していない
- 部屋が多くて売りづらい
- 昨今の環境では需要が少ない
適正価格で売り出していない
4LDKのマンションが売れない最大の理由は、適正価格で売り出していないことが考えられます。
3LDKと同水準の単価で売り出していれば、高過ぎる価格設定です。
首都圏では4LDKの単価は3LDKの2割以上低くなっているため、単価を見直す必要があります。
部屋が多くて売りづらい
4LDKは部屋が多いというよりは、根本的に専有面積が広く、総額が高くなりやすいので売却がしにくいです。
昨今では自宅でリモートワークを行う人も増えてきたことから、むしろ部屋数のニーズは以前よりも高まっています。
しかしながら、未だに4LDKが売りにくいのは、総額が高いことが理由です。
潜在的なニーズはあるのですが、高くて売れないというのが正直なところだと思います。
昨今の環境では需要が少ない
少子高齢化や一人っ子の世帯も多いことも、4LDKのマンションが売却しにくい理由といえます。
ただし、部屋数に関してはリモートワークの普及に伴い、部屋数が多い物件の方が最近は好まれる傾向があります。
例えば、部屋数が多い郊外の戸建て住宅は需要が強いです。
郊外の戸建てが売れているのにマンションの4LDKが売れないのは、価格が高いことが大きな理由となっています。
マンションは総じて戸建てよりも立地の良い物件が多いため、都市部のマンションと郊外の戸建てを比べると郊外の戸建ての方が価格は安いことが多いです。
4LDK自体の潜在的な需要はありますが、価格と釣り合っていないため、結果的に売れなくなっているといえます。
次に4LDKマンションの主なターゲットについて見ていきましょう。
4LDKマンションの主なターゲット
4LDKマンションの主なターゲットについて解説します。
4LDKマンションの主なターゲット
- 家族が多い人
- 仕事部屋や書斎が欲しい人
- 趣味部屋が欲しい人
- 和室が欲しい人
- ペット用の部屋が欲しい
- 物が多い人
- 来客が多い人
- 在宅勤務している夫婦
家族が多い人
家族が多い人は、4LDKのターゲットです。例えば、子どもが3人以上いるような世帯がターゲットとなります。
最近では、親の介護のために親と同居することが目的で4LDKのマンションを購入する中高年世帯も増えつつあります。
仕事部屋や書斎が欲しい人
仕事部屋や書斎が欲しい人は、4LDKのターゲットです。
昨今はリモートワークが普及してきたことから、以前にもまして部屋数の多さを求めるニーズが高まっています。
そのため、価格が安い郊外の4LDKは需要が高いです。
例えば、千葉県では4LDKが市場の中で1割以上も流通しており、決して少ない数字ではありません。
潜在的な需要は高まっていますので、価格さえマッチすれば売却できる可能性は十分にあります。
趣味部屋が欲しい人
趣味部屋が欲しい人も、4LDKのターゲットとして考えられます。
ゲーム等の静かにできる趣味であれば、マンションでも十分です。
一方で、騒音や振動が発生する趣味や、広いスペースが必要となる趣味を有している人は、マンションよりも戸建てを嗜好する傾向があります。
和室が欲しい人
和室がある4LDKであれば、和室が欲しい人にハマる可能性はあります。
ただし、マンションの和室ニーズはそもそも低いため、近年の新築物件では和室そのものが少ないです。
古いマンションであれば和室もあることから、ニッチなニーズに刺さる可能性はあります。
ペット用の部屋が欲しい
ペット用の部屋が欲しいという人も、4LDKのターゲットとして想定されます。
昨今はマンションでペットを飼う人が増えてきていますので、ペットのためにもう一部屋欲しいというニーズは考えられます。
ペットニーズを捉えるには、そもそもそのマンションがペット可であることが必要です。
ペット可の物件であれば、売却時にアピールできるポイントとなります。
物が多い人
物が多い人も、4LDKのターゲットとして考えられます。
ただし、物が多い人は、戸建てやトランクルーム付きのマンションを嗜好する傾向が強いです。
トランクルーム付きのマンションではない限り、わざわざ価格の高い4LDKを購入する人は少ないかもしれません。
来客が多い人
来客が多い人も、4LDKのターゲットとして想定されます。
3LDKの間取りだと、応接間を確保することは難しいです。
応接間が必要となる人は、4LDKを購入することが考えられます。
在宅勤務している夫婦
夫婦ともに在宅勤務している世帯には、4LDKのニーズがあります。
昨今、郊外で4LDKが売れているニーズとしては、仕事部屋を求めていることが理由となっているケースが多いです。
在宅勤務している人も、一定の頻度で会社に通勤することはよくあります。
通勤圏内にあり、かつ、価格が適正に抑えられているようであれば、売却できる可能性は高いです。
次に4LDKマンションを売却する時のアピールポイントについて見ていきましょう。
4LDKマンションを売却する時のアピールポイント
4LDKマンションを売却する時のアピールポイントについて解説します。
4LDKマンションを売却する時のアピールポイント
- 家族が多い人
- 仕事部屋や書斎が欲しい人
- 趣味部屋が欲しい人
- 和室が欲しい人
- ペット用の部屋が欲しい
- 物が多い人
- 来客が多い人
- 在宅勤務している夫婦
収納スペースに困らない
マンションは各部屋にクローゼットが設けられていることが一般的です。
部屋数の多い4LDKは、クローゼットの数も増えるため、収納量も3LDKと比べると必然的に多くなります。
収納スペースにゆとりが出やすいことから、収納量をアピールすることができます。
マンションの立地や周辺環境
間取りとは直接関係ありませんが、マンションの立地や周辺環境が良ければ、十分にアピールポイントとなります。
例えば、最寄駅から徒歩5分圏内の物件であれば、利便性が高いため、売却しやすいです。
共用スペースの施設の充実さ
共用スペースの施設が充実しているケースも、アピールポイントとなります。
ただし、逆に共用スペースが少なくても、管理費が安い物件は十分なアピールポイントです。
戸数が多く、共用部がシンプルな物件は、管理費が安くなっているはずですので、管理費の安さをアピールすることをおすすめします。
次に4LDKマンションの売却時のコツやポイントについて見ていきましょう。
4LDKマンションの売却時のコツやポイント
4LDKマンションの売却時のコツやポイントについて解説します。
4LDKマンションの売却時のコツやポイント
- 収納スペースに困らない
- マンションの立地や周辺環境
- 共用スペースの施設の充実さ
ホームステージングを検討する
ホームステージングとは、オシャレな家具等を配置して新築物件のモデルルームのように部屋を演出して売る売却方法のことです。
4LDKに限らず、ホームステージングはマンションを売却する一つのテクニックとなっています。
空き家の状態で売却できる物件であれば、ホームステージングを行いやすいです。
一部の大手不動産会社の中には、ホームステージングを無料で行ってくれる会社もあります。
興味のある方は、無料でホームステージングを行ってくれる不動産会社を先に探し出し、その会社に売却を依頼することをおすすめします。
4LDKマンションの売却に強い不動産会社を選ぶ
4LDKマンションの売却に強い不動産会社というのは、一般的にはわかりません。
投資用のワンルームであれば別ですが、マイホーム用のマンションで間取り別に強みや弱みがある不動産会社というのは少し考えにくいです。
そのため、売却を依頼するなら、例えば自分のマンションにチラシをよく投函してくる地元の不動産会社を選んだ方が適切です。
マンションにチラシをよく投函してくる地元の不動産会社は、そのマンションの取引実績が多いため、見込み客を抱えている可能性があります。
すぐに売れる可能性もあることから、頻繁にチラシを投函してくる不動産会社にも相談することが望ましいです。
売却価格を工夫する
4LDKのマンションを売却する上で一番重要なのは、価格の設定です。
売れない4LDKは、価格が高過ぎることが原因になっていることがよくあります。
価格設定するときは、4LDKではなく周辺の3LDKの相場も調べることが重要です。
周辺の3LDKよりも若干高い程度の価格に設定することが、確実に売るコツとなります。
買取も検討する
4LDKに限らず、売れないマンションは買取を検討するのも一つです。
買取とは、転売を目的とした不動産会社に下取り価格で売る売却方法となります。
価格目線としては、仲介で売れる価格の6~8割程度の水準です。
買取の価格が安くなるデメリットを少しでも抑えるには、複数の不動産会社に査定を依頼し、できるだけ高く買ってくれる会社を見つけることが効果的な方法となります。
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仲介にこだわるなら買取保証を利用する
買取保証とは、一定期間仲介での売却をチャレンジし、その間に売れなかったら最後は買取になるという売却方法のことです。
買取保証は仲介で売れれば高く売れますし、また、最後は買取となるため売却活動を確実に終わらせることができる点がメリットとなります。
時間的な余裕があり、少しでも高く売れる可能性を残したいという人に、おすすめの売却方法です。
間取り変更やリフォームはNG
間取り変更は不要となります。4LDKが売れない根本的な理由は間取りではなく広さです。
広くて総額が高くなっていることが売れない原因ですので、仮に間取りを3LDKにしても売れるわけではありません。
また、リフォームも不要です。リフォームは個人が行っても工事費用を抑えるのが難しく、また、必ずしも買主が求めているリフォームをできるとは限らないことから、売主が行うにはリスクがあります。
リフォームを行うくらいであれば、買取もしくは買取保証を選択した方が適切です。
最後にスター・マイカのマンション買取サービスについて見ていきましょう。
売れない4LDKマンションを売るならスター・マイカへ
マンション買取を手掛ける不動産会社は数多く存在しますが、スター・マイカはその中でも豊富な実績を有しています。
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スター・マイカは過去10年以上にわたり、ファミリータイプ(35㎡~)の分譲マンションを中心に買取を続け、現在では中古マンション保有戸数は業界トップ※となりました。
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東証プライム上場企業のグループ会社
スター・マイカは東証プライム上場企業(2975)の「スター・マイカ・ホールディングス」を親会社としています。
盤石な財政基盤があり取引実績も豊富なので、岡山県岡山市内の初めてのマンション売却でも安心してお任せください。
最後にスター・マイカのマンション買取サービスについてご紹介します。
スター・マイカの買取のポイント
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- 築年数の古いマンションもリノベーションマンションの素材として高く評価します。
築年数や状態に応じたリノベーションで、中古マンションの魅力を最大限に引き出すため、新築以上の付加価値を生み出します。
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マンション買取の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
4LDKのマンション売却でよくある質問
4LDKのマンション売却でよくある質問について解説します。
4LDKのマンションのターゲットとなる5人以上の世帯数は増えてますか?
令和2年(2020年)国勢調査によると、5人以上の世帯数は減少傾向にあります。2015年と比べると、11.5%の減少です。
減少傾向は続いており、今後も減少は続く見込みが高いと予想されます。逆に、近年は単身世帯や2人世帯が増加しています。
まとめ
4LDKのマンションが売れないことをテーマに解説してきました。
4LDKのマンションは、面積が広いことが理由で総額が高くなっており、売却しにくくなっています。
不動産には単価と総額の関係と呼ばれる法則があり、広い面積の物件は総額を抑えるために単価を下げて売ることが多いです。
価格に関しては周辺の3LDKの相場も考慮しながら、高過ぎない価格設定を行うことが重要となります。
URILABOの運営者
スター・マイカ株式会社
“作る”から“活かす”社会の実現をめざし、リノベーション中古マンションを販売する会社です。オーナーチェンジ物件の買い取りを得意とし、常時3,000戸以上保有しています。不動産のプロとして「納得のいく不動産売却」のための情報を発信しています。
スター・マイカ株式会社 宅地建物取引業者免許 国土交通大臣(03)第8237号
当社は、東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングス株式会社のグループ企業です
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