中古のタワマンは売れる?売れないタワーマンションを売却する方法
近年タワーマンションの建設が相次いでいますが、それに伴い、タワーマンションを売る人も増えてきました。
しかしながら、タワーマンションが最初に登場してからまだ20年くらいしか経過していないため、タワーマンションの売却に関する情報は多くありません。
そこで今回の記事では、タワーマンションを高く売るコツや、売れるタワーマンションと売れないタワーマンションの違いなどについて解説していきます。
人気のないタワーマンションでも、方法を考えれば売れるケースもあるため、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
タワーマンションの売却事情
- タワーマンションとは、高さ60m以上、階数でおよそ20階建て以上のマンショの呼び方であり、高さや階数の基準に法的な決まりはありません。タワーマンションは、高層マンションと呼ばれることもあります。
不動産経済研修所が発表した「超高層マンション動向 2020」によると、全国にあるタワーマンション(20階建て以上)が約10.3万戸あり、2020年以降にも258棟のタワーマンションが完成予定となっており、今後もタワーマンションの数が増えると予測されています。
新築分譲時のタワーマンションは、人気があり販売価格も高いことが特徴ですが、中古タワーマンションの売却では、物件や部屋によって明暗が分かれます。
人気のタワーマンションは、購入時より高く売れる一方、不人気なタワーマンションは大きく値下がることも多いです。
タワーマンションはすべてが売却しやすい物件とは限らないと理解しておく必要があるでしょう。
次にタワーマンションの売却が難しい理由について見ていきましょう。
タワーマンションの売却が難しいとされる理由
タワーマンションの売却が難しいとされる大きな理由は「大規模修繕」です。
大規模修繕
- 大規模修繕とは、経年劣化が避けられないマンションを定期的に修繕をすることで、建物としての資産価値を維持することを目的とした大規模工事のことです。工事箇所としては、鉄部塗装工事・外壁塗装工事・屋上防水工事・給水管工事・排水管工事などがあります。
タワーマンションのような20階建て以上の高層マンションの大規模修繕を行う場合、高層階まで足場が組めないことが多いことから、ゴンドラや移動式の足場を利用して階層ごとに修繕する方式を採用するため、通常の修繕より費用がかかってしまいます。
さらにタワーマンションは、高さによって外観が大きく変化していることがあるため、建物毎に最適な修繕方法を検討する必要があります。
以上のことから、タワーマンションの大規模修繕は通常の修繕より費用が増える可能性があり、修繕積立金を超えた費用がかかると、その差額を請求される可能性があります。
大規模修繕の懸念事項があるため、タワーマンションは購入希望者が見つかりにくく、売却することも難しくなることがあります。
次に売れるタワーマンションの特徴について見ていきましょう。
売れるタワーマンションの特徴
売れるタワーマンションには、以下5つの特徴があります。
売れるタワーマンションの特徴
- 立地が良い
- 日照・眺望が良い
- 適切な管理が維持されている
- 地域のブランドになっている
- 住環境が良い
それでは、それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。
1.立地が良い
駅直結など、立地が良いタワーマンションは売却しやすいです。
快速停車駅やターミナル駅にあり、駅から徒歩5分圏内の物件であれば、売却しやすいでしょう。
2.日照・眺望が良い
高層階で南向き、または東南の角部屋等の日照・眺望が良い部屋は、売却しやすくなります。
日照や眺望は高層階のほうが優れているため、同じタワーマンションでも高層階の方が売却しやすくなるでしょう。
バルコニーの向きを価値の高い順にみると、南、東、西、北となります。
3.適切な管理が維持されている
適切な管理が維持されているタワーマンションは、高く売れます。
タワーマンションの中には、新築当初はコンシェルジュやドアマンが付いていても、その後、管理組合がコスト削減でこれらのサービスを止めてしまうことがあります。
分譲当時の管理サービスが維持できているマンションは、購入者への訴求力が高く、高く売却しやすいでしょう。
4.地域のブランドになっている
タワーマンションの中には、地域のブランドになっているような物件があります。
周辺住民の間で評判になっている物件は、物件が売りに出るのを待っている人も多く、高く売却することができるでしょう。
5.住環境が良い
タワーマンションでも、周辺の住環境が良い物件は高く売れます。
具体的には、近くに食品スーパーや医療モールがある物件です。
生活のために便利な環境が整っていれば、人気が高いでしょう。
次に売れないタワーマンションの特徴について見ていきましょう。
売れないタワーマンションの特徴
売れないタワーマンションには、以下5つの特徴があります。
売れないタワーマンションの特徴
- バルコニーの方角が悪い
- 階数が低い
- 小中学校の定員数がオーバーしている
- 立地が悪い
- 施工の質が悪い
1.バルコニーの方角が悪い
バルコニーの方角が悪い物件は、売却が難しくなります。
タワーマンションは、直方体状に建築されている物件もあり、普通のマンションよりも北向きや西向きのバルコニーの部屋が多く存在します。
方位の悪い物件は、タワーマンションと言ってもなかなか売れません。
2.階数が低い
タワーマンションの場合、階数が低い低層階は売却しにくい傾向にあります。
ほとんど日が差さないような部屋は、価格が落ちるでしょう。
また、周囲にオフィスビルが多いエリアでは、隣接建物との距離が近いため、低層階は特に人気がありません。
3.小中学校の定員数がオーバーしている
タワーマンションが一気に建ったエリアでは、小中学校の定員数がオーバーしている地域があります。
このような地域のタワーマンションは、子育て世代に人気がありません。
子供を遠くの学校に通わせなければならないようなタワーマンションは、物件の引き合い数が少なくなる傾向にあります。
4.立地が悪い
タワーマンションは広い土地を必要とするため、駅から徒歩10分以上と、駅から離れた場所に建っていることもあります。
駅から遠く、周辺にもスーパーがないような物件は、立地が悪いため高く売れません。
シニア世帯にも不人気です。
5.施工の質が悪い
タワーマンションでも、施工の質が悪い物件はなかなか売れません。
中古マンションは新築マンションとは異なり、実際に物件の状態を見て購入します。
中には、高級タワーマンションを謳っているのに、床がプカプカしている、エレベーターがガタガタ揺れる、廊下の換気状態が悪い等々、施工の質の悪さを感じる物件があります。
施工の質が悪い物件は、周辺住民に知れ渡っていることも多く、人気がありません。
ここまで売れるタワーマンションや売れないタワーマンションの特徴について見てきましたが、次にタワーマンションを高く売る方法についてお伝えします。
タワーマンションを高く売る方法
タワーマンションを高く売るには、以下4つの方法があります。
タワーマンションを高く売る方法
- 分譲主のグループ会社の仲介に相談する
- 銀行に相談してみる
- 6,000万円以上の物件ならホームステージングを利用する
では、それぞれの方法を具体的に見ていきましょう。
1.分譲主のグループ会社の仲介に相談する
マンションディベロッパーの多くは、グループ会社に不動産会社仲介会社をもっているので、分譲主のグループ会社の仲介に相談しましょう。
分譲主のグループ会社の仲介に依頼すれば、中古が出てくるのを待ち望んでいる購入者を紹介してくれるケースもあるでしょう。
全てのタワーマンションが適切とは限りませんが、分譲主のグループ会社の仲介に相談して判断することをおすすめします。
2.銀行に相談してみる
タワーマンションは、資産家が相続対策として欲しがっているケースがあるため、銀行に相談してみるのもひとつです。
銀行は直接、不動産の仲介を行わないものの、銀行の関連会社や懇意にしている会社に話を振ってくれるケースもあります。
タワーマンションの高層階は、市場価格よりも相続税評価額がかなり安くなっているため、保有するだけで相続対策となります。
本来の価値よりも、相続で財産として評価される額のほうが低いため、現金を持っているよりもタワーマンションに代えたほうが節税できるというカラクリです。
資産家は銀行に対して、相続対策のことを良く相談しています。
そのため、銀行に相談すると、タワーマンションを欲しがっている資産家に対して話を繋げてくれるかもしれません。
もし、気軽に話せる銀行担当者を知っていれば、「資産家でタワーマンションを欲しがっている人はいませんか?」ときいて見るのも良いでしょう。
ただし、相続対策となるタワーマンションは、市場価格と相続税評価額との乖離が大きい高層階の部屋に限られます。
なかなか売れない部類のタワーマンションは、対象となりません。。
3.6,000万円以上の物件ならホームステージングを利用する
6,000万円以上の物件なら、ホームステージングを利用するという方法もあります。
- ホームステージング
- ホームステージングとは、中古マンションをモデルルームの様に家具やインテリアで演出して売却する手法です。
家の印象を良く見せることができるため、高く売却できる可能性が高まります。
ただし、ホームステージングを行うのであれば、住みながらの売却ではなく、空き家の状態での売却が原則です。
また、ホームステージングには概ね、17万円~30万円程度の費用がかかります。
不動産会社によっては、サービスでホームステージングを実施してくれる場合もあるので、活用してみましょう。
ホームステージングをすれば、売りやすくなるという一定の効果が見込めます。
6,000万円以上の物件であれば、ホームステージングを検討してみるのも良い選択です。
以下の記事では、マンションの査定や売却の流れについて詳しくご説明していますので、合わせてご覧ください。
次にタワーマンションを売却するタイミングについて見ていきましょう。
タワーマンションを売却するタイミング
タワーマンションを売却するタイミングは以下の通りです。
タワーマンションを売却するタイミング
- 所有期間が5年を超えた時
- 所有期間が10年を超えた時
- 賃貸中の場合、空室になったタイミング
所有期間が5年を超えた時
タワーマンションを売却する場合、所有期間が5年を超えた時がおすすめのタイミングです。
不動産を売却して得られた所得(買値より高く売れた場合)を譲渡所得と呼び、譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間によって決まるのが特徴です。
1月1日時点において所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得と分類されます。
それぞれの税率は以下の通りです。
所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% |
復興特別所得税に関しては、上記税率で計算した所得税に対し、一律に2.1%を乗じて求めます。
復興特別所得税の税率は所有期間による違いはありません。
所有期間が10年を超えた時
タワーマンションを売却する場合、所有期間が10年を超えた時がおすすめのタイミングです。
譲渡所得がプラスになる場合は、「10年超所有軽減税率の特例」が利用できる可能性があります。
この軽減税率の特例の適用要件は、「居住用財産で所有期間が10年超となるもの」です。
軽減税率の特例の税率は以下の通りです。
譲渡所得金額※ | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
6,000万円以下の部分 | 10% | 4% |
6,000万円超の部分 | 15% | 5% |
※譲渡所得は、3,000万円の特別控除の適用後の譲渡所得が対象です。
所有期間が10年超であれば、長期譲渡所得よりもさらに税率が下がるため、節税することができます。
主な利用要件
- 自分が住むための居住用物件であること
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売ったものでないこと
- マイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと
賃貸中の場合、空室になったタイミング
賃貸中のタワーマンションを売却する場合、空室になった時がおすすめのタイミングです。
居住用物件と投資用物件とでは、居住用物件の方がより高く金額で売却ができることが多いです。
居住用物件では、類似物件の取引事例や販売価格を基準に価格が決まりますが、投資用物件の場合、利回り重視で価格が決まるため、投資用物件の方が低い売却金額になることが多いです。
そのため、所有しているタワーマンションが賃貸中の場合、空室になったタイミングに居住用物件として売却することをおすすめします。
賃貸中のタワーマンションを売却したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
3ヶ月経っても売れないのは販売戦略ミスかも!?
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」によると首都圏の中古マンションの平均販売期間は約3ヶ月(88.3日)となっています。
また、中古マンション価格に目を向けてみると、第一回緊急事態宣言が出された2020年4月に一旦大きく値下がりしていますが、5月にはすぐに回復に転じ現在では、緊急事態宣言以前の水準よりも価格が上昇しています。このことから、中古マンション市場の活況感が伺えます。
長期的な観点でも2012年以降、継続して成約価格が上昇傾向にあるため現在は「売り時」といえるでしょう。
コロナを経て今が売り時であるにも関わらず、平均販売期間の3ヶ月以上が経過しても売却ができていないのであれば、ちょっと焦らなければならないかもしれません。
いつまでも売却できない場合、以下が要因として考えられます。
- 設定している販売価格が高すぎる
- 「築年数が古い」「室内状況が悪い」といった、個人が買主となる「仲介」という売却方法では売りにくい物件である
売却活動を始めてから3ヶ月を超えている場合は、そもそもの販売戦略を間違えている可能性があります。「仲介」から「買取」という売却方法へ切り替えることも検討しましょう。
仲介と買取の違い
買取とは、マンションの売却方法の一種で、一般的な仲介による売却とは異なり不動産会社が直接買主になります。
仲介会社は売主と媒介契約を締結したのち、なるべく高い価格で売却するために顧客への紹介の他、チラシやインターネットによる販売活動を行い、広く買主となる人を探します。
すぐに買主が現れ、高く売れる場合は問題ありませんが、買主が見つからない場合は、販売期間が長期化したり、当初設定した価格を下げざるを得なくなります。
仲介会社が直接購入する訳ではないので、仲介会社の査定は売れる可能性が高い推定の価格です。
一方で、買取価格は買主となる不動産会社が実際に購入可能な買える価格を提示していますので、場合によっては最短で数日で契約・決済まで完了させることができます。
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仲介と買取の売却方法の違いを詳しく知りたい方には、こちらの記事で詳しく解説しています。
URILABOの運営者
スター・マイカ株式会社
“作る”から“活かす”社会の実現をめざし、リノベーション中古マンションを販売する会社です。オーナーチェンジ物件の買い取りを得意とし、常時3,000戸以上保有しています。不動産のプロとして「納得のいく不動産売却」のための情報を発信しています。
スター・マイカ株式会社 宅地建物取引業者免許 国土交通大臣(03)第8237号
当社は、東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングス株式会社のグループ企業です
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